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木下牧子 歌曲の世界(昼公演)

2022年 6/21 (火) 14:00開演
コンサート 日本の作曲家シリーズ【第5回】

木下牧子 歌曲の世界(昼公演)

〜珠玉の65曲を歌う!〜

公演について

美しい旋律を散りばめた小品からオペラアリアを思わせるドラマチックな歌曲まで、朗々と歌わせたかと思うとレチタティーヴォのような語りへ、どこに飛んでいくかわからないハーモニー、こんな目まぐるしく七変化する木下牧子の歌の世界には65曲聴いても飽きさせない魅力があります。今回は多くの歌手が愛してやまない名曲から未出版の新作まで様々なスタイルの歌曲を取り上げます。代表作、オペラ「不思議の国のアリス」をはじめ、幾度となくコンサートでも木下歌曲を取り上げてきた東京室内歌劇場がお届けする大イベント!
近々、一般社団法人設立10周年記念として新作オペラも計画中!乞うご期待です!

チラシ・画像

画像をクリックすると拡大します。

日時・会場

2022年6月21日(火) 14:00

台東区生涯学習センターミレニアムホール

台東区西浅草3-25-16 2階

JR山手線・京浜東北線「鶯谷駅」南口から 徒歩約15分
東京メトロ日比谷線「入谷駅」1番出口からから徒歩8分
つくばエクスプレス「浅草駅」A2番出口から徒歩8分

料金

4,000円

プログラム

ダッシュ(連弾)「やわらかな雨」より Ⅰ中園/Ⅱ:東井
風をみたひと 「六つの浪漫」より 詩:C.ロセッティ/訳:木島始(志村・東井)
いっしょに 詩:工藤直子(赤井・東井)
おんがく 詩:まど・みちお(大津・東井)
「抒情小曲集」
・うぐいす -詩:武鹿悦子(石原・中園)
・ほんとに きれい 詩:C.ロセッティ/款:吉田映子(石原・中園)
・ねこぜんまい -詩:武鹿悦子(松井・中園)
・夕顔 詩:金子みす(赤井・中園)
・すずしい日 -詩:岸田裕子(内田・中園)
・しじみ蝶 詩:新美南吉(黒田・中園)
・かぜとかざぐるま -詩:岸田裕子(黒田・中園)
・曲の枇杷 詩:金子みす(馬場・中園)
・月の角笛 石井. 詩:新美函吉(石井・中園)
・秋 詩:重井繁治(石井・中園)
・白いもの 詩:北原白秋(末吉・中園)
・つらら 詩:まど・みちお (末吉・中園)
「父の唄」 詩:谷川俊太郎(松井・東井)
・夜はやさしいーひとりで寝るのがこわい子のための子守歌
・小さなスフィンクス
・父の唄
竹とんぼに 歌曲集「花のかず」より 詩:岸田裕子(石原・東井)
あさっておいで 歌曲集「花のかず」より 詩:岸田裕子(黒田・東井)
たんぽぽ 詩:北原白秋(石井・東井)
ヴァカンス、 歌曲集「太陽は空の中心にかかる」より 詩:立原道造(末吉・東井)
「三好達治の詩による二つの歌」 詩:三好達治(馬場・中園)
・物語
·乳母車
「竹久夢二の7つの歌」 詩:竹久夢二
・花のゆくえ(赤井・東井)
・真実(内田・東井)
・ゆふぐれがたに(内田・東井)
・赤い日(志村・東井)
・糸車(志村・東井)
・ジョウカア(大津・東井)
・あなたの心(大津・東井)

出演

  • ソプラノ
  • ソプラノ
  • ソプラノ
  • ソプラノ
  • ソプラノ
  • ソプラノ
  • メゾソプラノ
  • メゾソプラノ
  • バリトン
  • バリトン
  • ピアノ東井 美佳
  • ピアノ
  • ゲスト木下牧子

スタッフ

  • 企画
  • 制作

プログラムノート

木下牧子と東京室内歌劇場  松井康司

 冒頭から個人的な話しになってしまうのですが、 2002年のいつの頃だったか、それまでご縁のなかったオペラ団体、モーツァルト劇場から我が家に1枚のFAXが送られてきました。そこには「この度は公演への出演をご承諾頂きありがとうございました。」と記されていたのです。はて何のことやら、承諾した覚えのない公演だったので一瞬当惑したのですが、その公演の内容が「木下牧子作曲、オペラ[不思議の国のアリス](初演)、笑い猫役」とあったものですから、「承諾した覚えはないのですが、喜んで引き受けさせて頂きます!」と慌てて妙なお返事をしてしまったのでした。

 2003年、木下牧子作曲、オペラ「不思議の国のアリス」はモーツァルト劇場の主催で東京芸術劇場にて初演されました。指揮は今や内外で大活躍中の大井剛史氏、演出は東京室内歌劇場でも「ベニスに死す」や「欲望という名の電車」等の演出でお馴染みの戦山仁氏でした。

 第1幕の楽譜が出来上がった時、モーツァルト劇場代表の高橋英郎氏(東京室内歌劇場文芸会員でもあられた方)の阿佐ヶ谷のご自宅にキャストが集められたのですが、そこで忘れられない衝撃的な体験をすることになりました。今でこそ普通に行われていることですが、パソコンで作られた、まるでオーケストラそのものの音と人の声にかなり近い音で新作オペラの音を聴くことができたのです。その音からは、まさしく今、新作オペラが生まれる瞬間に立ち合っていることを感じ取ることができ、鳥肌が立つような感動を覚えたことを今でも思い出すことができます。

「新作オペラが生まれる瞬間」に立ち合う体験は、 その後、稽古が始まってからも続くのですが、今日は5ページ分、今日は10ページ分という具合に稽古場に第2幕の楽譜が届き、まさに稽古と作品が同時進行で出来上がっていきました。楽譜が届くたびに、自分が歌う箇所があったらどうしようとドキドキしたり、歌うところがなかったらホッとしたり、ちょっと残念に思ったり、複雑な思いになりました。なんと最後のシーンの楽譜が稽古場に届いたのは、確か本番10日前くらいだったでしょうか⋯(このエピソード、公演のプレトークでも暴露していますし、もう時効ですね!)

 最後の頃の牧子さんのげっそりと疲れ果てたお姿は今でも目に焼き付いていますが、その最後のシーンの美しさは、オペラ全体を包み込む素晴らしいシーンで、作曲家にとっての産みの苦しみをも同時に感じ、感動的な涙涙の稽古場となりました。

 このオペラは、既に合唱の世界で第一人者であった牧子さんの初めてのオペラ作品とあって、当然のことなから注目の公演となり三菱信託芸術振興財団奨励賞を受賞、2005年9月に改訂初演を行った時には、その年の「エクソン・モービル音楽賞」を受賞しました。その頃には、この作品の価値は誰もが認めるものとなっていましたが、オペラを公演することは簡単なことではなく、モーツァルト劇場は、この作品を今後公演し続けることは不可能ということから、東京室内歌劇場が引き継いで次の公演をしようということになったのが2009年のことでした。

 団内では他団体が初演した作品をやる意味があるのか、というような意見もありましたが、初演をして終わりという作品が山ほどある日本オペラの世界で、価値のある作品は公演し続ける意味がある、という意見が圧倒的に多く、東京室内歌劇場としての公演が実現しました。指揮は当時スウェーデンのマルメ歌劇場から帰国したばかりだった大勝秀也氏、演出は当歌劇場とも縁が深かったということから初演時からの鵜山仁氏という布陣、会場は今や閉館してしまったテアトロ銀座でした。その後、この作品は、第二の「夕鶴」と言われるほどに、日本全国で公演されていく名作となって行きます。

 一方で、オペラの団体でありながら歌曲、特に日本歌曲の公演にも力を注いでいる東京室内歌劇場にとっ て、歌曲作曲家としての「木下牧子」への興味も大き なものがありました。オペラの公演後、今回と同じ日本の作曲家シリーズの第2回目、歌曲と合唱曲の両方を取り上げるシリーズ「日本歌曲アンサンブルの楽しみ」で木下作品を取り上げ、その都度、作曲家のトークを交えたコンサートは高い評価を得てきました。

 そして今回、コロナ対策として始めた昼夜公演のスタイルを活かした珠玉の65曲を歌う大イベント、となるのです。

 さて、ここで、今回のプログラミングの苦労話をお話しさせて頂きましょう。

 ひとりの作曲家のコンサートで昼夜2回公演、出演者は20人の歌手、どんな曲を選ぶのか、このようなプログラミングは私も初めてのことです。たくさんの歌曲作品を聴きながら毎日悪戦苦聞したのですが、まるでアリスに登場するドードー鳥のように牧子節が頭の中をぐるぐると回り続け、歌曲よりもオペラのあのシーンの合唱が頭の中で鳴り響くような状態になってしまいました(ぜひ、YouTubeでドードー鳥のシーンをご覧ください!)。しかし、聴き込んでいくと、美しい旋律を散りばめた小品からオペラアリアを思わせるドラマチックな歌曲まで、々と歌わせたかと思うとレチタティーヴォのような語りへ、どこに飛んでいくかわからないハーモニー、こんな目まぐるしく七変化する歌の世界はたくさんの曲を聴いて頂いた方が魅力が伝わると確信しました。最初は昼夜公演、同じプログラムでと思っていたのですが、全て違う曲でプログラミングしようと思い立ち、「珠玉の名曲65曲!」となったわけです。今日は多くの歌手が愛してやまない名曲から未出版の新作まで、牧子さんの様々なスタイルの歌曲を取り上げます。

 一方、一般社団法人設立10周年記念として新作オペラも計画中です。まだ台本も決まらない状況で、既に産みの苦しみが始まっていますが、ワクワクドキドキ、公うご期待です。

 「私は本来器楽の人なのよ!」と牧子さんはよく仰います。声楽家の私にはショッキングな一言なのですが、よくよく考えてみると、歌詞の制約を受けない器楽曲、特にオーケストラ曲での解放された音の世界には格別なものがあると認めざるを得ない魅力があります。でも、その視点で声楽曲を見てみると、伴奏部のハーモニーはオーケストラ的な色彩感に満ち溢れていて、声楽曲を演奏する時にもオーケストラ曲や「不思議の国のアリス」のオーケストレーションを知り、感じて演奏する必要があることを痛感させられます。合唱の世界をはじめとする声楽界で有名になりすぎているが故の牧子さんの本心なのかもしれませんが、「器楽の人」であるという感覚は声楽曲を演奏する上でも持っておく必要があると感じます。

 そこで本日は少しでも木下牧子の器楽の世界も知って頂けないかと思い、序曲がわりに連弾の小品からスタートすることにしました。

 さあ開演です!長いコンサートになりますが、長さを感じさせない興味深いコンサートになると確信しています。最後までごゆっくりお楽しみください。

木下牧子プロフィール

作曲家。東京生まれ。管弦楽、吹奏楽、室内楽、器楽、声楽とその活動は幅広く、中でもオペラを含むヴァラエティ豊かな声楽作品は抜群の人気を誇る。最近はオーケストラ作品を精力的に発表して注目を集めている。都立芸術高校ピアノ科卒業。東京製術大学作
曲科卒業、同大学院終了。在学中、作曲を石桁真礼生、黛敏郎、浦田健次郎、丸田昭三の各氏に、ピアノを岩崎操氏に師事。芸大卒業記念演奏会において、管弦楽曲「壷天」が作曲科首席卒業作品として演奏される。大学院在学中に合唱組曲「方舟」、吹奏楽曲「序奏とアレグロ」を発表してプロ・デビュー。管弦楽のための「幻想曲」で第51回日本音楽コンクール作曲部門(誉弦楽曲の部)入選。管弦楽のための「オーラ」で第9回日本交響楽振興財団作曲賞入選。03年オペラ「不思議の国のアリス」(モーツアルト劇場創立20間年委嘱)初演で三菱UFJ信託音楽賞奨励賞受賞。(音楽之友社よりヴォーカルスコア出版、オケ・パート譜レンタル)
 今までに、毎回異なる編成で5度の個展を開催。特に作品展3「室内楽の夜」は「この世代の作曲家としてひとつ抜きん出た存在であることを証明した」との新聞評、作品展5「オーケストラの時」では、さらに多方面から高い評価を得た。
 出版は100冊を超える。CDに「木下牧子管弦楽作品集〜呼吸する大地」(オクタヴィア・レコード)、「室内楽作品集〜もうひとつの世界」(「レコード芸術」現代曲部門特選盤/ライヴノーツ)、「ふるえる月」(室内楽 他/ALM RECORDS) 、「邪宗門秘出」(合唱&管弦楽/フォンテック)、「ピアノ作品集〜夢の回路」(「レコード芸術」現代曲部門 準特選盤/ライヴノーツ)、「花のかず〜野崎由美」(「レード芸術」声楽部門 特選盤/ライヴノー)、「へ
びとりのうた〜三原剛」(ライヴノーツ)、「祝福」 (ア・カペラ合唱/日本伝統文化財)、「木下牧子 女声合唱曲選」(ライヴノーツ)他多数。

お問い合わせ

一般社団法人東京室内歌劇場 事務局
TEL:03-5642-2267
FAX:03-5642-2268
Email info@chamber-opera.jp
HP: https//chamber-opera.jp